【ひのみやぐら】建設機械使用時は油断せず

2024.09.26 【ひのみやぐら】
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 建設機械が原因となる災害に歯止めをかけようと、メーカーやIT関連企業などの技術開発がめざましい。重機の死角をカバーし運転者の視界を広げるカメラや重機周辺の旋回範囲に近づくと警報音を出して運転者に知らせ自動で動作をストップする装置などが現場で取り入れられている。建設機械のDX化も進んでいるところだ。人との接触機会を減らすため、管制室から遠隔で操作する無人の自律型建設機械が実用化されている。

 一方で建設業の三大災害の一つである「建設機械、クレーン災害」は依然として高い発生割合を占める。ひとたび事故発生となれば、死亡や重篤な災害につながる可能性が高い。さらに街中で建設機械やクレーンなどが倒れた場合には、公衆災害の懸念がある。通行人や近隣住民への影響はもちろん、建物の破壊、電線切断による停電など甚大な被害が予想される。

 建設機械といっても、ブルドーザー、杭打機など多種多様で、災害となる原因も、重機との激突、つり荷の落下などさまざまだ。例えば、懸念される事項のひとつとして人との接触が挙げられる。大きな重機の運転席はガラスで覆われているので、外がよく見えるのではないかと思われがちだが、意外と死角があり視界が狭い。オペレーター自身も作業に集中しており、さらにエンジン音や周囲の雑音などもあり、周りに作業者がいても気が付かないことが少なくないという。

 また、作業中だけでなく移動時にも災害が起きている。トラックへバックホウの積込み作業中に道板が外れバックホウが転倒する、山道で走行中、路肩が崩れて谷川に転落などが見られる。作業中は危険への意識が高まっているものの、こうした移動時や点検整備の作業では油断しやすくなり、リスクが高くとも気が付きにくいという落とし穴がある。

 建設機械の安全システムは日々進歩し、安全性は向上している。もちろん技術の進歩は大いに歓迎すべきところだが、労働災害は意識が低下した場面で起こりやすいものだ。作業手順を守る、現場の人とコミュニケーションをとるといった安全の基本を忘れないようにしたい。

2024年10月1日第2459号 掲載
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