生産性向上への寄与めざす/わかば社会保険労務士法人 代表社員 山本 圭一
コロナ禍以降、日本はそれまでにも増してDX化を推進している。
経済の停滞、国際競争力の低下や人口減少、労働力不足など、さまざまな課題に対する解決策の1つとして、DX化が進められている状況である。
2000年代初頭からインターネットの普及やIT化の基盤整備が進み、2015年ごろにはIoTやAIが発展した。2020年ごろにはコロナ禍の影響もあり、リモートワークやオンラインサービスの急速な普及が進展し、デジタル庁が設立された。
現在は、ChatGPTなどに代表されるAIやRPAが安価に利用できるようになりつつある。そのようななか、弊所の所在する地域では中小企業が多く、DX化どころかデジタル化すら進んでいない顧客も珍しくない。
人が集まりにくい地方都市において、中小・零細企業ではデジタル化人材を雇用する余裕もなく、業種によっては働き方改革が進められるなかで、人手不足により長時間労働をせざるを得ない状況にある。
社会保険労務士事務所においても、一般企業同様に人が集まりにくくなっている。少ない人数でこなしていくためにクラウドツールの導入や電子化など、さまざまなツールを活用し、労働生産性を向上させていかなければならない。
個人的な実感として、企業にとっては弁護士や税理士に相談するよりも、社会保険労務士の方が相談しやすいと感じている。弊所のデジタル化やDX化を進めるだけでなく、デジタル人材のいない中小・零細企業に対しても、人事・労務管理分野でのサポートや導入支援、相談対応などを行い、より一層身近で相談できる社会保険労務士事務所でありたいと考えている。
AIやデジタルツールが技術の発展とともに今後ますます普及していくなか、AIやデジタルツールに仕事を奪われる懸念も想定される。しかし、身近で相談できる存在が社会保険労務士であるとするならば、オンラインやウェブ会議を活用し、従来よりも密な顧問先との打合せを通じ、顧問先の発展に寄与する深い提案と関係構築を行うことが重要である。また、労務管理分野(勤怠管理やワークフロー、デジタル化によるペーパーレス化)などの限られた分野ではあるものの、顧問先の労働生産性の向上に貢献できると考えている。
「変化のない時代なんてありましたか」と、どこかのCMで言っていたが、変化に対応し、労働社会保険の専門分野に留まらず、中小、零細の顧問先における働きやすい労働環境の整備と生産性向上に寄与できる事務所でありたい。
わかば社会保険労務士法人 代表社員 山本 圭一【広島】
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