【安全衛生・お薦めの一冊】『保護具着用管理責任者ハンドブック』

2024.10.29 【書評】
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不適切使用による被災例紹介

 今年4月から本格施行された改正労働安全衛生規則では、リスクアセスメント対象の化学物質を製造・取扱う事業場で保護具着用管理責任者の選任が義務付けられた。本書は、保護具着用管理責任者向けに、関係法令、呼吸用保護具、皮膚障害防止用保護具に関する知識とともに、事業場での職務内容を解説している。

 化学物質を原因とする労働災害の多くは皮膚や眼への接触によるもので、代替化などによる根本的改善や工学的・管理的対策によるリスク低減とともに、適切な保護具の着用が重要な役割を占める。「ガス状物質や酸素欠乏空気に対して効果のない防じんマスクを使っていた」「吸収缶の使用時間を適切に設定しておらず急性中毒になる」など、不適切な使用による労働災害事例を紹介し、正しい保護具の選択、着用、保守管理の必要性を説明している。

 事業場で職務を遂行するにあたり、手元に置いて参考にできる実務書で、社内教育教材としても活用できる。

(中央労働災害防止協会 編著、TEL:03-3452-6401、B5判、176ページ、税込1320円)

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2024年11月1日第2461号 掲載
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