【今週の労務書】『キャリアブレイク 手放すことは空白ではない』
2024.10.26
【書評】
採用問題解決の糸口に
本書の定義によると、キャリアブレイクとは「今まで中心的に活動してきたキャリアの役割を手放すことによって、新しいキャリアの役割に向けて自分と社会を見つめ直している期間」を指す。女性の離職期間の経験などを研究してきた著者は、キャリアについて「ブランク(空白)」はないと主張している。
読み応えがあるのは、キャリアブレイクを経験した8人に対するインタビューだ。人事担当者からすると、20~30歳代の若い世代の労働者が就職した会社の働かせ方や、自身の考え方と仕事の進め方の不一致などを理由として離職を選択している点が気になるだろう。離職理由にも“多様性”があるといえ、採用や定着対策を考えるうえでのヒントになり得るかもしれない。
(石山 恒貴ほか 著、千倉書房 刊、税込2860円、TEL:03-3528-6901)
令和6年10月28日第3470号16面 掲載