つながるために働く/あさみ社会保険労務士事務所 齊藤 麻美

2024.12.01 【社労士プラザ】
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あさみ社会保険労務士事務所 齊藤 麻美 氏

 社労士プラザに寄稿することが決まってから、「働くこと」について日々考えていた。

 多くの人は、「なぜ働くのか?」と聞かれたら、理由の1つとして、「お金を稼ぐため」と答えるのではないだろうか。私も漏れなく、そのうちの一人である。

 日々の業務を行うなかで、その業務を投げ出したくなるようなときは、請求書を作成することで何とか平常心を保っている。

 では、自分に、働かなくても遊んで暮らせるほどの資産があればどうだろうか。

 「宝くじで8億円当たったら仕事を辞めるのになぁ」という声を耳にすることがある。万が一、その瞬間が来たら、現実にはどうするだろうか。

 私の場合、8億円当たったわけではないが、会社を辞めたことがある。最初は仕事からの解放感と自由な時間に浸っていたが、学生でもなく、追いかける夢もない私は会社を辞めたことで人と接する機会が減り、社会から隔絶された気持ちになった。会社は、お金を稼ぐ場所でもあるが、人とつながる場所でもあったのだと痛感した。

 ほとんどの人は、学校を卒業したら約40年以上、「社会人」として過ごすことになる。新卒で入社した会社を定年まで勤め上げる人、さまざまな理由で転職をした人、親の事業を継ぐ人、起業する人、扶養の範囲内で働いて定時でササッと上がりたい主婦、今の仕事が好きで好きでたまらない人、仕方なしに働いている人。それぞれの働く理由と働き方がある。

 人生は働くことだ、とまでは言わないが、人生の大半の時間を働くことに費やすことになるのだから、自分の納得のいく働き方ができたら良いと思う。会社側も、労働者の働き方や特性を把握できれば、個人の能力を最大限に活かせるようになるはずだ。

 そのためにも、まずは会社と労働者は対話をしてほしい。その後の人事制度の構築や設備投資の検討といった専門的なことは、社会保険労務士に相談してもらえると良い。

 私は結局、会社勤めが続かず、個人事業主になった。それでも働くことを通じて、社会と、人とつながっている。

 会社員のときより収入は下がり、土日祝日も仕事をする日々で、自信をなくして人間不信になるときもあるのだが、不思議と社労士業を辞めたいと思ったことはない。

 これが、紆余曲折してたどり着いた私の働く場所だ。8億円当たったとしても、私はきっとこの仕事を続けていく。そう感じながら、今日もまた業務に取り掛かる。

あさみ社会保険労務士事務所 齊藤 麻美【千葉】

【連絡先はこちら】
〒285-0926 印旛郡酒々井町本佐倉10-17
TEL:080-7885-1276

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令和6年12月2日第3475号10面 掲載
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