縁ある人を幸せに/名古屋中央社会保険労務士法人 代表 久保 直也
社労士として開業し、来年で25年となる。これまでさまざまな会社や経営者とご縁をいただけた。みなさん、「社員を大事にしたい」、「少しでも給与を上げてあげたい」、「だからこそ、業績を上げたい」。そう考えている。けれども、私のところには人に関する労務問題の相談が、毎日のように来る。その根本原因として、「自分は正しい。相手は間違っている」、「他人は変えられる」という間違った考え方があることがほとんどである。
近年はハラスメントや精神疾患により、休職する方が増加の一途である。厚生労働省の資料によると、ハラスメントが起こる会社の主な特徴として、①人手が常に不足している、②社員の年代に偏りがある、③上司と部下のコミュニケーションが少ない、またはない――などが指摘されている。
良好なコミュニケーションの手法を知らない職場では、「自分は正しい。相手は間違っている」という考え方が当たり前のようにはびこっている。そうした職場では、優秀な方が定着してくれるはずがない。それ故、常に人手不足で、年代にも偏りが出てしまうのであろう。
同じようなことが日本の多くの企業で起きている。社員のことを大事にしたいのに、良好な人間関係を構築する情報や方法を知らないがために、良かれと思ってハラスメント的な行動をとってしまう。そして、胸を痛めている。私自身もそうだったから分かる。
以前は、何か問題が発生した時には相手に対して批判したり、責めたり、罰を与えたりすることで相手を思いどおりにしようとするマネジメント手法だった。だが、「他人は変えられないが、自分は変えられる」という前提に立つことで、メンバーを内発的に動機付けていくマネジメント手法に変えていったところ、人間関係と業績は良くなっていった。
弊事務所自体で体現できたことは、顧客にもサービス提供できるという信念を持ち、これからもさらに良い事務所づくりを推進していく所存である。
弊所の経営理念は、「縁ある人々を幸せに導く」である。社労士の仕事の本質は、人を大切にする企業づくりを支援することで、豊かで明るい社会を実現していくことである。
良好な人間関係の構築をとおして、顧客・社員・社会の三方すべてにとって良い状態である三方良し経営をめざしていく。職場で働くルールや人事制度を整備し、経営者も社員もお互いに感謝をし、笑顔でいきいきと働くことができる職場づくりをサポートできる社労士の仕事に出会えたことに感謝である。
名古屋中央社会保険労務士法人 代表 久保 直也【愛知】
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