【書方箋 この本、効キマス 書評家・大矢博子選集(2024年下半期)】『トヨタの子』『地面師たち ファイナル・ベッツ』『エアー3.0』ほか

2024.12.29 【書評】
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労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋 この本、効キマス』から、2024年の下半期に公開した大矢博子さんご執筆のコラムをまとめてご紹介します。

『トヨタの子』 吉川 英梨 著
実名を出した経済小説のジャンルがある。最も有名な作家は高杉良だろう。タイトルに企業名を掲げた『小説 日本興業銀行』、『落日の轍 小説・日産自動車』などのドキュメントノベルの他、実在の企業や人物の名前をそのまま使った小説を多く発表している。…

吉川 英梨 著、講談社 刊、税込3080円


『モノ』 小野寺 史宜 著
羽田空港と浜松町駅を結ぶ東京モノレール。東京オリンピックに合わせて1964年に開業し、今年で60年になる。その節目の年に出たのが、東京モノレールで働く人々を描いた小野寺史宜『モノ』だ。…

小野寺 史宜 著、実業之日本社 刊、税込1870円


『地面師たち ファイナル・ベッツ』 新庄 耕 著
Netflixで配信されたドラマ「地面師たち」が大きな反響を呼んでいる。7月25日の公開から先週まで、日本国内では6週連続1位の記録を樹立。グローバルチャートでも上位をキープし続けているのだ。

新庄 耕 著、集英社 刊、税込1980円


『エアー3.0』 榎本 憲男 著
〈「この世の中の情勢を大きく左右してるものはふたつあると思うんだ」 ふたつ? ふたつならあれとあれだろう。いまの世は、あれとあれを牛耳ったものが勝つ。あれとあれの権益を押さえるために、連中はどんな手でも使う。〉榎本憲男『エアー3.0』の一節である。…

榎本 憲男 著、小学館 刊、税込2530円


『五葉のまつり』 今村 翔吾 著
戦国小説の華といえば合戦、というイメージがある。織田信長なら本能寺、徳川家康なら関ヶ原がクライマックスに用意されるのは当たり前、槍働きだの戦術だのに読者はいつも胸躍らせる。

今村 翔吾 著、新潮社 刊、税込2530円


『孤城春たり』 澤田 瞳子 著
昨年4月のこの欄で、畠中恵『わが殿』を紹介した。江戸時代後期、借金にあえぐ越前大野藩で財政立て直しに奔走した大小姓・内山七郎衛門の物語である。だが江戸時代後期から幕末にかけて、財政難に見舞われていたのは大野藩だけではない。…

澤田 瞳子 著、徳間書店 刊、税込2420円


書評家 大矢 博子 氏

選者:書評家 大矢 博子(おおや ひろこ)
88年、民間気象会社に入社。96年に退職後、書評家に。著書に『歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド』(文春文庫)など。

 

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