【今週の労務書―2024年10~12月掲載記事を振り返る】
『労働新聞』で掲載している書評欄『労務書』から、2024年10~12月に掲載した書評をまとめてご紹介します。
『やさしくわかる 職場のハラスメント対策』
本書は「やさしくわかる」と題するとおり、分かりやすさに重点を置く。ハラスメントの基本知識から対応方法まで、1項目当たり見開き2ページで読みやすく紹介した。
『DX時代の部下マネジメント 「管理」からサーバント・リーダーシップへの転換』
本書は、DXの導入を進めるなかで、マネージャーに求められるマネジメントスタイルへの変革方法を解説している。部下に仕事を与え、確認し、評価する「管理」ではなく、部下に権限を委譲して仕事を任せ、コーチングとフィードバックによって育成する「サーバント・リーダーシップ」が必要としている。
『生きた産業保健法学』
労働政策審議会の安全衛生分科会で委員も務めた著者が、健康情報等の取扱いや傷病からの復職にまつわる問題などを解説したのが本書である。健康情報関係では、法律や行政のガイドラインなどを体系的に説明。
『キャリアブレイク 手放すことは空白ではない』
本書の定義によると、キャリアブレイクとは「今まで中心的に活動してきたキャリアの役割を手放すことによって、新しいキャリアの役割に向けて自分と社会を見つめ直している期間」を指す。
『マネジメントのリスキリング』
働き方の多様化や「人的資本経営」への関心の高まりなど、マネジャーに求められる役割は年々大きくなっている。一方、マネジメントスキルに自信があるのかどうかを尋ねた調査によると、自信ありと答えられたマネジャーは4人に1人に留まるそうだ。
『詳解 裁量労働制』
本書は、今年4月の制度改正も含め、裁量労働制の制度趣旨、改正経緯、導入例、裁判例、学説、行政解釈などを網羅的に盛り込んで解説した。
『労働基準法がよくわかる本 ’24~’25年版』
労働基準法だけでなく、労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法など、労働に関する法律を広く盛り込んだ。特定社会保険労務士の筆者が、法律や裁判例を交えながら実務における注意点を解説する。
『EXジャーニー ~良い人材を惹きつける従業員体験のつくりかた~』
EX(Employee Experience)とは、従業員がその企業で働いて得られる体験や経験のこと。本書では、企業がEXを疎かにして従業員のエンゲージメントが下がるのを防ぐため、人材を惹きつけるための体験の作り方を紹介している。
『雇用関係法の理論と実務』
著者が昭和60~令和2年に執筆・公表した三十数本の論稿を収録した。論稿の後には、近年の事象を踏まえたエピソードも追加している。
『発達障害グレーゾーンの部下たち』
発達障害グレーゾーンとは、発達障害の傾向がありながらも、その診断がつかない場合を指す。
『従業員300人以下の会社の障害者雇用』
民間企業の障害者の法定雇用率は令和8年7月に現行の2.5%から2.7%に引き上げられる。雇用義務が課される企業の範囲も常用雇用労働者数37.5人以上の企業に拡大し、中小企業における障害者雇用の取組みの重要性はますます増大している。
『多様化する人材と雇用に対応する ジェンダーフリーの労務管理』
本書は、LGBTQなどの性的少数者に留まらず、女性やZ世代、高齢者など、広くマイノリティを雇用する際の労務管理の実務を解説している。