【今週の労務書】『メンタルヘルスの基礎知識と運営のコツ』
2025.01.11
【書評】
誤解招かぬ言葉遣いを
元陸上自衛隊心理教官などカウンセリングに長けた著者陣が、「メンタルヘルス対策の形は作ったが、あまり有効に働いていない」企業向けに、基礎知識から運営のポイントまでを解説する。効果の上がらない企業が陥りやすい3つのケースを紹介し、見直しを促している。
1つは、「施策が誤ったメッセージを発信しているケース」を挙げた。企業が熱心に発信しても、言葉の選び方を誤ったり趣旨説明を怠った結果、意図とは異なる「裏メッセージ」を与えることが多いとしている。たとえば自殺者の統計を示した場合、「こんなに自殺があるなら、自分もするかも」と受け取られかねない。発信に併せて、「こんなに自殺があるのでしっかり取り組もう」などと説明することが必要とした。
(下園 壮太、伊藤 朗 著、金剛出版 刊、税込3080円、TEL:03-3815-6661)
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令和7年1月13日第3480号16面 掲載