【今週の労務書】『Q&A IT化社会における企業の情報/労務管理の実務』
2025.01.25
【書評】
AI活用などもカバー
本書は、就労者と情報の関係を、個人情報の取得・利用と、情報セキュリティーなど情報管理の2つの視点から解説したもの。AI活用のような新しい問題や、グループ企業間での利用などにも触れた。
たとえば採用時にAIを活用して特定の人物の行動を分析・予測するプロファイリングをする場合、透明性や説明可能性の問題として、応募者から採否判断の根拠を求められても、法律上、説明の必要はなく、活用に際してAIの信憑性を企業が検証していないようなときでも違法とはいえないとする。一方、倫理上の問題として、どのような情報を分析の基礎としているかや人間の判断の介在の有無などを説明できるようにしておくと、企業の評判にかかわる問題等が生じた際に有益とした。
(末 啓一郎、安藤 広人 編著、新日本法規 刊、税込4070円、TEL:0120-089-339)
令和7年1月27日第3482号16面 掲載