声でつなぐ経営と労務/バラスト社会保険労務士法人 代表 市川 恵
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バラスト社会保険労務士法人 代表 市川 恵 氏
人事労務の情報を分かりやすく伝えたいと思い、ウェブで配信できるラジオのようなポッドキャストというプラットフォームで、「人事・労務の豆知識」という番組を続けている。
2019年からスタートした。結構評判が良いようで、リスナーも多い。番組を聞いてお問合せをいただくこともある。訪問すると、「すごーい! あの声がここから!」と、喜んでいただくことも。また、社労士の方から「受験勉強中ずっと聞いていた」と言ってもらえることも多い。ファンです、などと言われると照れてしまう。
このポッドキャストは、企業の経営者や人事担当者に向けた情報発信であるが、実は自分の経験が基盤になっている。学生時代は役者をめざしていた。日芸演劇学科で、舞台での表現方法を学んでいた。だから人前で話すことや声による表現には慣れているし、それが好きでもある。
社労士として独立開業してから12年になるが、かつての役者の訓練は、セミナーやポッドキャストの場面で大いに役立っている。対面のセミナーでも緊張することは少なく、それが受講者の評価にも反映されているように思う。
一方で、どれほど話すことに慣れていても、発信する内容は毎回悩む。聞き手が本当に知りたいことを掘り下げ、かつ飽きさせないようにするにはどうすれば良いか。試行錯誤の繰返しである。しかし、この過程そのものが自身のインプットとなり、専門知識を深める良い機会となっている。
情報発信の場としてもう1つ設けているのが、同期の社労士と2人で始めたオンラインサロン「#社実研」である。コロナ禍の最中、飲み会や交流会が軒並み中止となり、他の社労士がどのように業務をこなし、何を考えているのかを共有する場が失われてしまった。そこで「飲み会の斜め後ろから先輩方の雑談を聞く」という気軽なコンセプトで、毎朝トーク配信を行っている。
オンラインでの配信や発表は、今や思い立ったらすぐに始められる時代である。誰かに向けて発信するにはインプットも必要で、学ぶことが多い。
配信は敷居が高くても、ブログやコラムなどもある。自分から情報を発する場を持つ意義は大きいと思う。得た知識をアウトプットすることで整理が進み、さらに他者との交流が次の学びを生む。専門家としての知見を社会に広めつつ、自身も成長できる好循環を、誰もが手軽に生み出せる時代になったのではないだろうか。
バラスト社会保険労務士法人 代表 市川 恵【東京】
【公式webサイトはこちら】
https://ballast-sr.com/