【今週の労務書】『問いから考える人材マネジメントQ&A』
2025.02.15
【書評】
実践に役立つ「なぜ」も
本書は、採用・配置転換・賃金・評価など、人材マネジメントに関する計55の問いを立て、それに答える形で解説した。前半の基本編では、「なぜコース別雇用管理制度が普及したのか?」などの問いを通じて、現行制度の成立ちを把握できる。
後半は「ポストオフ後にも中高年に活躍してもらうにはどうすれば良いのか?」などのより実践的な問いが並んでおり、実際に制度設計などを行う際の参考になる一冊だ。
「なぜ結果だけではなくプロセスや姿勢が人事評価の対象となるのか?」という問いに対しては、結果を出すためにルールやチームワークを軽んじる社員が現れたり、高い目標を避けようとする危機回避的行動が増えたりして、高い成果が望めなくなるリスクを指摘している。
(八代 充史、梅崎 修、倉重 公太朗、吉川 克彦 編著、中央経済社 刊、税込3080円、TEL:03-3293-3381)
令和7年2月17日第3485号16面 掲載