【今週の労務書】『トラブルにならない「会社に有利な」ルールの作り方』
2014.04.21
【書評】
“みなし残業”で設定例
社員と正しい約束をして会社運営をスムーズに――本書の狙いはズバリこの一言に凝縮されている。目次には「社員にできるだけ長く合法的に働いてもらう方法」「払い過ぎにならない給料の決め方」「採用リスクを減らす社員の雇い方」などといった見出しが並ぶ。
実際の中身も制度説明から注意点までをしっかり解説。文例や記入例も豊富だ。例えば、法定労働時間をめいっぱい使うための方法に「変形労働時間制」を挙げ、事務手続きがややこしい1年単位よりも就業規則への記載だけで導入できる1カ月単位を勧めている。
給料の決め方では、”みなし残業代”の有無による給料総額の比較を行い、”みなし残業代”の設定例、導入する場合のリスクをアドバイスしている。
(井寄奈美著、日本実業出版社刊、TEL:03-3814-5161、1500円+税)
平成26年4月21日第2965号16面 掲載