【今週の労務書】『取締役の教科書――これだけは知っておきたい法律知識』
2013.07.01
【書評】
義務と責任に注目
少子高齢化による国内市場縮小の時代にあって、取締役の適切な経営判断の重要性が増している。本書は、取締役として備えておきたい法律知識を整理したもの。法律条文や法解釈、裁判例に沿って、取締役の権限や果たすべき責任、義務を分かりやすく解説している。
代表取締役とその他の取締役(平取締役)、社外取締役などに共通する義務のほか、取締役の種類に応じた義務を提示した。競業避止義務については、取締役が一律に負う義務と位置付け、競業する同業他社の取締役に就任したケースが義務違反に該当するかなどを解説。義務違反の場合に会社が行える措置として、損害賠償請求や差止め請求、取締役の解任を挙げている。
(岡芹健夫著、経団連出版刊、TEL:03-6741-0043、1800円+税)
平成25年7月1日第2927号16面 掲載