【ひのみやぐら】「安全先取り」の職場風土を

2025.03.27 【ひのみやぐら】
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 労働災害は、発生してからでは取り返しがつかない。障害が残ったり、死亡災害の場合であれば、なおさらだ。不幸な事態が起きる前に事前に万全の対策を講じる「攻めの姿勢」が重要になる。

 全員参加で安全衛生を先取りし、一切の労働災害を許さずゼロ災害、ゼロ疾病を究極の目標に、いきいきとした職場風土づくりを目指すゼロ災運動の基本理念には3つの原則がある。「ゼロ」「先取り」「参加」だ。このうちの「先取り」では「攻めの姿勢」で安全衛生活動に臨むとしており、常に現場で働く一人ひとりが、積極的に自発的に取り組むとしている。

 手法としては、KYT、ヒヤリハット報告、リスクアセスメントなどが挙げられる。これらの活動は、職場や作業に潜む危険の発見、把握、問題解決を行うという点で共通している。洗い出した危険を情報として職場の全員に伝達し、皆で積極的に解決するという作業はチームの職場風土が良好でないと機能しない。先取りの安全活動の活発化を図るには、人間関係や職場の雰囲気をよい方向に向けていく必要があるわけだ。災害防止についての話し合いは、あくまで前向きな姿勢で行わなければならない。このために果たす企業トップや安全スタッフの役割は大きい。

 当然だが、指示されてようやく動く「受け身」の姿勢や仕方なく取り組むといった「やらされる」気持ちでは、災害防止に効果は期待できない。形だけの安全衛生管理活動は、かえって被災の可能性が高まる。「現場の一人ひとりが主役」という強い意識がなければ、労働災害はなくならないのだ。

 今号、特集Ⅰでは東亜工業の「先取り型の安全活動」を紹介している。フォークリフトの接触事故防止や稼働前の設備のリスク再検討を行う安全検収制度などは、危険の芽を摘み取る活動として効果を上げている。さらに次世代へノウハウを継承させる「安全伝道師」の育成にも力を入れており、安全の先取りを取り入れるに当たって、最適なモデルといえよう。

 常に安全に対して、前向きな姿勢に徹することが、労働災害の予防につながる。

2025年4月1日第2471号 掲載
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