【今週の労務書】『超地域密着型会社戦略~地元の人に愛されて儲かる秘密~』
2015.02.09
【書評】
好人材見分ける手法も
著者は埼玉で不動産業を営み、地元では全国規模の大手と互角かそれ以上の業績を上げている。本書はその経営戦略を綴ったもので、資金調達やブランディングの手法にも触れているが、いかに良い人材を集め、育てるかという点にもページを多く割いている。
スキルの高い社員より「理念を共有できる社員」を求め、著者ならではの人材の見分け方が示されており、なかでも挫折経験の有無を重視する。優秀でも打たれ弱い人より、多様な人と接して粘り強く試行錯誤が繰り返せる人こそ、地域の中小企業で力を発揮できるとしている。
先入観にとらわれず、人間や物事を複眼的に分析して自社に合った方法を熟考する姿勢は、職種を問わず参考になる。
(松本俊人著、クロスメディア・パブリッシング刊、TEL:03-5413-3141、1480円+税)
平成27年2月9日第3004号16面 掲載