【ひのみやぐら】建設業の交通災害を防ぐ

2025.04.10 【ひのみやぐら】
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 建設業の型別死亡災害を見ると、交通労働災害は墜落・転落に次いで多い。交通労働災害には、工事現場外で起こる道路上の交通事故と作業中に車両がバックして労働者がひかれるなど工事現場内で起こるものに分類される。

 工事現場内で起こる災害については比較的、対策を講じやすいが、道路上で作業中に発生するものは、第三者の車に衝突されるケースもあり、対策が難しいといわざるを得ない。

 交通労働災害では、工事現場から会社に戻るため、会社所有のマイクロバスに数人で乗車し、その途中で事故に遭うケース、掘削土や砕石などの搬入・搬出時にトラックがバックや左右折時に労働者をひく、下り坂に駐停車していたトラックが逸走し労働者が車体と壁の間に挟まれるなどの災害が起きている。

 また、出入り口のゲート付近で通行する一般人をひいてしまったり、トラッククレーン車がブームを伸ばしたまま移動して、電線を切断してしまう事故も見られる。

 発生原因として無知、危険軽視、慣れなどのヒューマンエラーによる要因が大きいが、労働者の健康確認、作業手順の周知が不十分など管理的要因もないとは言い切れない。管理職は、自分の部下が安全に安心して作業できるよう運転時の注意事項、現場内で自動車が走行しているときの危険のポイント、運転席から死角になる場所の確認などを教育、指示しておくことが肝要だ。

 具体的には、マイクロバスの運転では、運転者の健康状態に気を配る。とくに仕事が終わって現場から会社に帰るときは、疲労が蓄積して居眠り運転の危険があるため、体調を観察する。複数人の労働者が同乗している場合は、交互に運転させるなどの工夫も必要だ。

 トラックなどが労働者と接触するおそれがある場所は、立入禁止や誘導員・監視人を適正配置するなどの措置が挙げられる。慌てていたり、急いで近道行動をとることが決してないよう指示をしておきたい。

 自動車に起因する事故は、管理職の目が行き届きにくいだけに、日常からの教育や注意・指導が重要といえる。

2025年4月15日第2472号 掲載
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