【今週の労務書】『ケースで学ぶ 社員の不祥事・トラブルの予防と対策』
2015.04.13
【書評】
規定不備で問題深刻化
架空の時間外労働をタイムカードに記載して残業代を請求する、退職前に顧客情報を持ち出して起業する、自社商品を横領して横流し――など、社員が巻き起こす様ざまなトラブルについて、その発生の背景から企業の具体的な対応までをストーリー仕立てで紹介したのが本書。
同様のトラブルの予防に向けた企業の留意事項や参考となる規定例、関連する裁判例を提示している。
紹介しているのは、服務規律違反による不祥事のほか、労働者の能力不足や休職、退職・解雇、通勤・業務上災害に関するトラブルなどの50事例。どれも規定の不備や指導不足などが問題発生や拡大を招いている。
多岐にわたるトラブル発生のリスクを洗い出すうえで大いに役に立つ一冊だろう。
(本間邦弘著、日本経済新聞出版社刊、TEL:03-3270-0251、1800円+税)
平成27年4月13日第3012号16面 掲載