【今週の労務書】『ワクワクする職場をつくる。「良い感情の連鎖」が空気を変える』
2015.05.11
【書評】
「管理」より「つながり」
組織変革は経営サイドが戦略を立て、現場の実践を管理するのが従来の手法だが、IT化の進展などで経営と現場との情報格差が縮小する一方、社員同士のコミュニケーションが希薄化した現代では、むしろ現場にいる個人、それも感情のレベルから変わることが組織の活性化に有効だと本書は主張する。
「何も変わらない」というあきらめ感の蔓延した現場なら、まず個々のメンバーに働く喜びや意欲を取り戻させ、課題解決のために積極的に周囲とつながる意識を醸成する。それによってメンバー間で思いや志を共有し、改善・変革へつなげることが効果的であると、いくつかの実践例と共に解説している。
覇気のない職場をなんとかしたいと悩む人に、平易な表現で示唆を与えてくれている。
(高橋克徳・重光直之共著、実業之日本社刊、TEL:03-3535-4441、1400円+税)
平成27年5月11日第3016号16面 掲載