【ひのみやぐら】五月病が原因の退職を防ぐ

2025.04.25 【ひのみやぐら】
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 近年、「退職代行」というサービスが注目を浴びている。昭和に育った世代からいえば、「辞めるときぐらいは自分で申し出るもの」との考えだったが、調べると複雑な事情の場合もあるようで、需要が増すのも納得できるようになった。

 ニュースなどでは4月の入社日初日から退職代行サービスを依頼する人がおり、その後も殺到していると話題になったが、さらに5月を迎えるこの時季、「五月病」により、利用者が増えると予想されている。

 五月病は、医学的用語ではなく厳密には「適応障害」や「うつ病」などと診断される。症状としては、抑うつ感、無気力、思考力・判断力の低下、めまい、頭痛、不眠、焦燥感、強い疲労感などが見られる。4月に入社し、緊張感を持ちながら走り続けた人が大型連休で一息つくタイミングとなる。まとまった休みを取ることで、今までの疲れがドッと現れるといった具合いだろう。

 社員を採用するには、膨大な時間とコストがかかっている。人材の流動化が進んでいるとはいえ、3日、3カ月はもちろん、3年でも退職となっては、企業としても採用にかけた労力の甲斐がないというものだ。新入社員が会社から早期離脱とならないためにも、管理監督者は「ラインによるケア」により、メンタルヘルス不調を防ぎたい。

 具体的には、いつもと違う様子にいち早く気づくことが大切だ。遅刻、早退、欠勤が増える、仕事の能率が悪くなる、表情に活気がない、ミスが目立つなどを観察する。不調に陥る前には、何らかのサインがでるものだ。新入社員の行動パターンや人間関係なども知るように努めたい。

 新入社員の変化に気付いたら、上司から声をかけ、話を聴くとよいだろう。場合によっては産業医や産業カウンセラーなどへの相談を勧める。とくに新入社員の場合、上司との関係が成熟していないことがあり、なかなか話しかけ辛いかもしれない。上司は否定を避け、問題を共有しようという姿勢で話を聴く。問題を打ち明けてくれたほうが、上司としては対策を立てやすいものなのだ。

 若い人材が育たない企業に、よいイメージはない。

2025年5月1日第2473号 掲載
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