【安全衛生・お薦めの一冊】『社労士が教える労災認定の境界線』
2017.09.03
【書評】
判断難しい77事案を紹介
万が一、就業時間中に災害が発生しても、その事案が業務災害となるのか判断が難しい場合がある。労働基準監督署への手続対応などはもちろん、労働災害の未然防止という視点からも労災認定事例を把握しておきたい。
本書は本誌好評連載中の「社労士が教える労災認定の境界線」から特徴的な77例を掲載したもの。社労士が実際に行った申請事案から、相談の多かったもの、手続きが困難だった事例などを取り上げた。一例を挙げると、印刷会社の営業社員が現業部門を手伝い裁断中に指を切断といった判断に迷うケースや、定期健診中に貧血で転倒し頭を負傷したものの業務外となった事案を紹介している。
著者のSRアップ21は、平成6年に設立した社労士による人事労務管理の”プロ集団”。豊富な経験の下に執筆しており、事業場の安全管理対策構築に有効な一冊だ。
(一般社団法人SRアップ21編、労働新聞社刊、TEL:03-5926-6888、A5判、241ページ、1800円+税)
平成29年9月1日第2289号 掲載