「子育て」のように企業支援/社会保険労務士うだがわ事務所 宇田川 久仁子
私は結婚してから専業主婦をしていたが、夫がサラリーマンを辞めて事業を始める時、一緒に力になって働きたいと思った。自分にできることを探したら、「社会保険労務士」の資格が目に留まった。
資格取得後には、社会保険事務所に就職。健康保険・厚生年金保険料の適正な算定方法や給付金、年金のことなど、社会保険法関係の実務を経験するとともに、多くの社会保険労務士の先生方と知り合いになれた。そのなかには、私の顔をみるたび「良いことしなよ! 良いことはあなたの子供や孫に必ず巡り巡ってくるからね」と声をかけてくれるベテランの先生がいた。その先生は、2011年3月11日、東日本大震災の大津波で亡くなった。この言葉をよく思い出す。
私たちの仕事は、企業の労務管理を手伝うことだが、「子育て」と似ていると思う。以前の子育ては女性がするものだったが、今は夫婦でする時代。働く環境が時代とともに変化している。働く環境を良くするため、私たちは法に基づいたオーダーメードの方法を提案し、企業がそれを実践する。子育てのように私たちは、気づきの環境を整え、どうしたいのか話を聞き、軌道修正しながら、なりたい方向へ向けていく。結果はすぐに表れないから、日々の信頼関係とコミュニケーションが重要。「お話していただかないと何も始まりません。些細なことでもご相談下さい」と、いつも話している。
相談内容は、労働時間の適正化と賃金、出向と転籍、社内結婚と転勤、健康診断、メンタル対策など様ざま。相談を受ける時は、心から話を聞き、必ずメモを取り、安易な回答はしない。法令と企業の規程、判例等を確認する(労働新聞社の実務相談室は心強い)。相談内容に四苦八苦しながら、最善策を企業とともに考え、成長を続ける。今までこのスタンスで信頼を築いている。
「相談して良かった、いてくれて良かった」という人が1人でも増えるよう、精一杯できる限りの良いことを今後も続けていこう。未来の社労士に巡り巡っていくように。
最後に、いつも私を信頼しご支援下さる企業の皆様、社労士の先生方、そして家族に、改めて感謝の気持ちを伝えたい。
社会保険労務士うだがわ事務所 宇田川 久仁子【宮城】
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