企業のリスク回避を手助け/三澤社会保険労務士事務所 三澤 眞知子
私は福岡県を中心に開業社労士として活動している。資格を取得したのは昭和の時代、その後、父の税理士事務所の勤務社労士を経験してから開業した。開業社労士として十数年必死で走ってきたが、最近、痛切に社労士の労務コンサルタントとしての大事さ・必要性を感じている。開業直後に経験した労務相談の仕事で、労基署OBや弁護士と一緒に労使双方の相談に乗り、厳しい現場の声、そして元労働基準監督官の適切な対応、弁護士の専門家としての意見・考え方等も聞くことができ、社労士としての取るべき姿勢を教えられた。
最近依頼される仕事は、労働紛争防止のための就業規則作成が多い。困っている事業所では、「法定3帳簿の未整備、適正な雇用契約書がない、適切な労働時間制を適用していない」など、基本的な労務管理がなされていないケースがほとんど。小規模事業主は多忙で、労務管理まで手が回らないことが多く、ましてや就業規則に至っては、社労士の手を借りずに作成するのは難しい。
最近では、インターネットなどで労働法に関連した情報が溢れていることから、労働紛争に発展しやすい。労務管理の基本を事業所に提供し、成長する仕組みづくりをサポートする。さらにこれからの社労士は、基本的な労務管理だけではなく、企業経営をみつめ、そこから人材活性化や制度構築の最適解を示す。また、複雑で変化の激しい労働法規の適切な対応を提案し、リスクを回避するためのコンサルタントとしての役割を果たすことが重要だと考えている。
開業当初から感じることは、開業社労士は個人事業主でもあるので大変孤独で、「これで良いのか?」と思う場面に数多くぶつかる。それを救ってくれたのは、多くの先輩社労士の温かいアドバイスの言葉だった。社労士会は、他士業から「社労士同士で仲が良い」といわれており、福岡県社労士会は運動部(マラソン)や研究部会、女性社労士の会などのネットワークが盛んである。社労士の仕事は多岐にわたるが、生涯現役でいこうと思えるほど私には合っているし、やりがいのある仕事だ。社労士として求められる限り、頑張っていきたい。
三澤社会保険労務士事務所 三澤 眞知子【福岡】
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