謙虚な姿勢を常に忘れず/社会保険労務士本間事務所 所長 本間 邦弘
「本の出版は信頼獲得の大きな武器になる」、これは私が以前勤務していた先の弁護士からいただいた餞別の言葉である。その言葉を胸に、数年後に初めて出版し、それから毎年1冊以上出版することができている。
17冊目となる今年4月の本(クレーマー時代の労務トラブル解決のコツ45)は、地域のリーダーや第一線で活躍する、東京、愛知、滋賀、富山、佐賀の11人の社労士との共著として出版した。これまでの出版は全て共著であり、私が社労士や弁護士、税理士などへ呼びかけて出版に至ることが多く、特に初めての出版となる方の喜びと私自身の充実感も特大である。完成した本をクライアントや行政や諸団体などへ贈呈することにより、社労士への理解が深まり、セミナーの依頼にもつながる。信頼関係を築くのは、計算や損得を超えた誠実な行動から生まれることを痛感する。
最近の労務トラブルは、法律を守れない使用者が存在する反面、モンスタークレーマーと思えるほど権利を超えて要求する労働者も多くなった。これに法改正が重なり、ますます労務問題は困難度を増しており、こんな時代であるからこそ、確かな力を持つ専門家との連携が重要になると考える。他士業や労働組合幹部などとも広く交流をする中で、有能な人には「困っている人を守るという信念に加え、共生のためのバランス感覚がある」という共通点があると感じる。
個性が豊かであるからこそこの厳しい時代を生き残り、成長を続けている中小・零細の経営者の心を理解しながら、法律順守を実現していくことで、労使が共に発展する道につながると考える。そのためには、自分自身が、全てから学ぶ謙虚な姿勢と決して諦めないという忍耐・執念を忘れていないかを、絶えず確認するようにしている。
ある赤ひげと呼ばれる医師との会話で「私は一度診た患者が心配なときは、電話をしてその後の経過を聞くようにしている」と聞いた。何気ない一言だが、この医師が患者の命を預かる責任感を感じているように、私自身も顧問先や相談者に丁寧で細やかな心配りができているかを考えさせられること大であった。社労士である前に、人として自身を磨き続ける大切さを感じる日々である。
社会保険労務士本間事務所 所長 本間 邦弘【東京】
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