論理思考で説得力向上/宮前労務管理事務所 宮前 清美

2013.05.06 【社労士プラザ】
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宮前労務管理事務所
宮前 清美 氏

 「なぜ、お客様はあなたを選ぶのか」。15年近くこの仕事に携わるなか、受講した「論理思考力の強化研修」の場で講師から問われ、ハッとした。

 私はこれまで、こんな風に捉えて提案をしてきただろうか。自分なりに相手の立場に立った提案を心掛けてきたつもりだった。しかし、社労士として法改正や労使問題への対処法等の研鑽とは別に、どうもこの部分が抜け落ちていた気がする。企業の人事部門や経営者の方々に対する提案や説得をする場面で、これまでは自分の経験や勘に頼ってきたところがあった。的確な判断や問題解決のためには、論理思考を身に付けることが不可欠だと思う。

 論理思考のベースには、帰納法や演繹法など様ざまな手法がある。分析方法にもSWOT分析や4C分析等があり、そのなかで提案や説得をするために最も効果的だと思ったのが、MECEの「なぜ、なぜ、なぜ」である。MECEとは「モレなく、ダブリなく」を留意して全体を把握することだが、思考のなかでモレがあるとチャンスを失い、ダブリがあると混乱が生じてしまう。この手法を用いて、お客様の側から考えてみる。

 ①なぜ、それが私に必要か。②なぜ、いまそれをやる必要があるのか。③なぜ、あなたから買う必要があるのか。まさに「なぜ、なぜ、なぜ」である。

 私たち社労士側からすれば、①いま、何を提案すべきか。②いつまでに取り組むべきか。③なぜ、私でなければならないか。いま一度原点に立ち戻り、企業のなりたい会社を作るための支援者として考えていきたい。

 論理思考を鍛えれば、企業の求めるニーズを明らかにできる。主張に対する根拠が客観的になり、かつモレやダブリもなくなり、説得力が高まる。それが自分自身の経営資源としてのコンサルティング能力を高めることになると思う。

 「考え方が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる」。このよく耳にするフレーズは、元々ヒンズー教にある教えのようだ。論理思考により考え方を変えてみることは、自らの可能性を、そして仕事の可能性をさらに広げることにつながるものだと思う。

宮前労務管理事務所 宮前 清美【福井】

【公式webサイトはこちら】
http://www.miyamaeroum.com/

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    平成25年5月6日第2919号10面 掲載
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