どんな仕事も受ける勇気を/安藤社会保険労務士事務所 安藤 健一
今年で開業11年目に入り、経営者が抱える一般的な悩みというものが少しずつ分かってきた気がする。売上げの確保、従業員の育成、事務所の体制整備など様ざまなことに頭を抱え込む毎日である。また女性に関しては出産・育児・介護などが生じた場合、社会の体制が整備されていない事実に直面し、雇用する側もされる側も非常に難しいと感じる。ただそれらの経験が顧客の相談に応じる際、大いに役立っているのも事実である。
また新規顧客の方に会うたびに感じるのは、社労士に求めるレベルがどんどん高度になってきているということだ。以前は手続業務代行や給与計算業務の依頼などを安価にアウトソーシングしたいというニーズが主だったが、最近はそれに加え、精神疾患を患った従業員への対応など労使トラブルの相談にも応じることのできる社労士が求められていると感じる。そのため私たち社労士は、問題解決のための知識を吸収し実務経験を積み上げ、常にレベルアップをして要望に応える必要がある。そのような対応ができるか否かによって、社労士事務所として今後大いに発展していくのか、あるいは淘汰されていくのかの分かれ道となるだろう。私自身も気を引き締め、日々邁進していくつもりである。
その努力の一環として開業以来意識してきたことがある。それは、どんな仕事でも「極力受ける」ということだ。これまで経験したことがない仕事、難解そうな仕事でもとにかく「受ける勇気」を持つことが重要であると考えてきた。そして、その仕事をやり遂げるために、様ざまな方法で自分なりに徹底的に調べ考えることで、知識が深まり、その経験が自信につながることが重要であると感じる。以前経験した上場前の労務監査やM&Aに絡む労務デューデリジェンス(調査)などの際に非常に苦労した覚えもあるが、今となっては大いに役立っている。
もうひとつ大切なことは、事務所の営業に際し、ホームページなどについてそれなりのコストをかけてきたことだ。お客様に自分の事務所を知ってもらわない限りはどうにもならない。
これからも知識を吸収する努力と宣伝の両面をうまく組み合わせ、とにかく悩みながらでもひとつ先にいけるようにしていきたいと思う。
安藤社会保険労務士事務所 安藤 健一【東京】
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