企業への貢献を正しく評価/アップル労務管理事務所 所長 吉田 秀子
人事労務管理のパラダイムを変える! それが開業して26年目を迎えた弊所アップル労務管理事務所の理念である。
例えば、会社の命令で東南アジアの農村で井戸を掘る社員がいる。
井戸は、水汲みに6時間かかっていた少女を、学校に行かせることを可能とする。井戸を完成させた社員は現地の人たちの感謝の言葉に、自分がこの国の未来にわずかだが光をもたらしたと感じ、仕事に対する価値観も変わる。そんな社員に会社は正しい人事評価を行い、適正な報酬と広がった視野にふさわしいさらに高い役割を与えれば、社員はもっとグレードの高い仕事を自分で企画し、実行に移すようになる。
その結果、所属する企業自体も新たなステージでのポジショニングが可能になり、企業はさらに高い社会的評価と多くの利益を得ることができる。
ところが人事労務管理を間違えると、企業も社員もせっかく苦労し高い実績を上げたにもかかわらず、双方が正当な報酬や社会的評価が得られなくなってしまう。その典型的な例が昨年青色LEDでノーベル賞を受賞した中村氏と元所属企業との関係ではないだろうか。
大きな仕事の目標をクリアすれば、企業も社員もステージアップする。その段階で人事評価制度の概念もステージアップしていかなくてはならない。にもかかわらず、今までと同じ視点での評価を続ければ、会社に利益をもたらした優秀な人材は正当な評価が得られないと去っていき、彼が在籍し続ければさらにもたらしてくれたであろう新規の利益を逸してしまうことになる。また、築き上げた企業のブランドイメージにさえ影響を及ぼす。
一方、会社に貢献し新しいステージに立った者に対して、それにふさわしい金銭的報酬やポジションをフィードバックできれば、会社・個人双方が、さらに大きな成長を遂げることが可能になる。
「私は社会に貢献している! そして会社から正しく評価されている!」と、一人でも多くの従業員が実感できる組織にする。そのために、私は企業の人事労務担当者と寄り添いながら、人事労務管理のパラダイムを変えるしなやかな目線でのコンサルティングを今年も行っていく。
アップル労務管理事務所 所長 吉田 秀子【東京】
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