企業発展へ人事制度構築/山本社会保険労務士事務所 山本 信春
平成5年2月、35歳のときに社会保険労務士を開業した。それまでにスーパー、税務署、税理士事務所と3カ所の職場を経験した。大学時代の友人に、「組織で働くことには向いていない」といわれたことがあるが、少し当たっているような気がする。転職を繰り返したのには、いろいろな経験をしてみたいという思いもあった。
開業して2年が経った頃、労働法を勉強するため大学院へ通い始めた。最近のホワイトカラー・エグゼンプションの問題にも通じる、裁量労働制を論文テーマにした。賃金から労働時間を切り離し、成果で評価する制度である。研究職や士業など、専門性が高い職種には脱時間給は合っているかもしれない。しかし、一方で過重労働の危険性もある。成果の評価の曖昧さをどうするのかという問題もある。成果の評価は難しいため、職種はかなり限定される。
大学院修了後に税理士資格も取り、14年2月から社会保険労務士業務と税理士業務の両方を行うようになった。現在は行政書士も登録し、記帳代行、建設業の許可申請なども行っている。
中小企業支援を行う事業の担い手の多様化・活性化を図るため、24年8月に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設された。当事務所も同年11月に認定され、経営計画の策定支援を行っている。
経営計画は数値計画だけでなく、売上げや利益を増加させるためにどのような行動をするのか、ヒトを評価し育てるためにどうするのかという行動計画も必要である。目標の達成ができなかった行動計画は、達成できるよう修正される。実現性の高い行動計画、経営計画に留意しながら策定支援を行っている。
中小企業支援のため、経営計画には人事評価等の人事制度構築のための行動計画、つまりヒトという経営資源に着目した行動計画が重要だと考えている。経営内部資源の、ヒト、モノ、カネのうち、中小企業はヒトを生かすべきである。そのためにも当事務所は、人事制度の構築等を業務の中心に据え、お客様である中小企業の発展に寄与すべく人事制度に関する情報を提供していくつもりである。
山本社会保険労務士事務所 山本 信春【広島】
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