【今週の労務書】『脚本で学ぶ実務的すぎる裏話付き個別労働紛争あっせん制度』
2015.11.23
【書評】
実務的な裏話も満載
手軽で迅速、負担も少ないのに一般の認知度が低い――と”あっせん制度”の普及に向け、福岡県在住の特定社労士である筆者がまとめたのが本書。
筆者主宰の士業団体「リスク法務実務研究会」が実施した演劇の脚本をほぼそのまま掲載しており、台詞を通し制度の大まかな内容が理解できる。
見開きの左頁でブラックなラーメン屋を舞台にストーリーが進行、右頁で脚本の台詞を抽出し解説や関連事項の説明を加えた。店主が女性店員にパワハラ・不払い残業・解雇で紛争勃発、和解なるかと手に汗握る展開。
本書の後半は制度の解説書。あっせんの申立て・被申立て双方の進め方・対応方法等も詳述。
脚本を下敷きに実際に上演を考えるも良し、労務担当者にとっても参考になる一冊。
(安藤政明著、花乱社刊、TEL:092-781-7555、2000円+税)
平成27年11月23日第3042号16面 掲載