技能実習 法違反率は7割超 違法残業・賃金控除で送検したケースも 愛知労働局
2017.10.19
【監督指導動向】
愛知労働局は、平成28年に県内14の労働基準監督署が実施した技能実習生の受入れ事業場に対する監督指導結果および送検状況を取りまとめた。臨検を実施した587事業場のうち415事業場で労働基準関係法令違反がみつかっている(違反率=70.7%)
違反項目を多いものから順にみると、時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)を超えて残業させていたなどの「労働時間」が163件で最多。以下、機械に安全カバーがない状態で作業を行わせていたなどの「安全基準」が101件、法定の割増率で計算した時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金を支払っていなかったなどの「割増賃金の支払」が84件などと続く。
悪質な事例として書類送検したケースは5件。たとえば28年11月には津島労基署が、月177.5時間もの残業をさせ、違法な賃金控除もしていたプラスチック製品製造業の加藤工業を労働基準法第32条(労働時間)違反の容疑で処分している(=関連記事)
技能実習生から法令違反の是正を求める申告の件数は10件で、賃金不払いに関するものが多かった。