【ひのみやぐら】「整理整頓」は改善の第一歩

2016.02.08 【ひのみやぐら】
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 子供のころ、母親から「部屋を片付けなさい」「掃除をしなさい」とよく叱られたものだ。社会人になってからは、いくぶん片付け上手になったと思うのだが、それでも机上の書類はあっという間に山となる。IT社会になってペーパーレスが進むと思いきや、逆に安易にプリントアウトができてしまうことで、かえって山の高くなるスピードが早くなったような気がする。

 机上の書類だけの話ならまだいいだろう。必要な資料を探すのに少々時間がかかるだけだ(それでも、十分非効率なのだが…)。生産現場となるとそうはいかない。整理・整頓ができていないことで、さまざまな障害が生まれてくる。危ない箇所に気がつきにくくなって、設備や機械を危険な状態のままにしてしまう。その結果、労働災害の温床になるのはいうまでもない。

 ほかにも、作業スペースがなくなる、探すのに手間がかかる、圧迫感を与える、などの要因で能率の上がらない現場となる。何より、気持ちよく働けない。

 こうした事態に陥らないようにするのが5S活動だ。とくに「安全は整理・整頓に始まり、整理・整頓に終わる」といわれるくらい、この2項目は重要だ。これに「清掃」を加えて3S活動として力を入れているのが、特集Ⅰで紹介するクボタ堺製造所。職場で行った3S活動の内容や結果を評価する「ピカピカ3S大賞」に取り組んでいる。

 活動の特徴は「こうありたい」と目指す職場の姿を明確に定め、目標達成に向けて計画的に実行していく点だ。

 例えば、ある職場では「必要、不必要なものを区分し、必要なモノは片付け、不必要なモノは処理する」という整理のルールに則って、「必要な鋼材の種類、数量、長さなどを決めて保管・管理する」「各鋼材・数量で品番を取り、使用頻度確認、発注作業の容易化を図る」など行うようにした。こうした改善活動は、安全な職場づくりへのモチベーション向上につながっている。

 同社の3S活動は、見習うべき点が非常に多い。机上を書類の山で埋め尽くさないためにも…。

平成28年2月15日第2252号 掲載
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