【ひのみやぐら】東日本大震災から3年
「平成23年3月11日(金)午後2時46分、三陸沖(牡鹿半島の東南東約130km付近)を震源とする『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震』が発生しました。我が国観測史上最大のマグニチュード9.0の巨大地震により、宮城県北部で震度7を観測するなど、東日本の広範囲が強い揺れに見舞われました」――。これは、海上保安庁が出した一報。そう、東日本大震災のことだ。あれから、もう3年が経過した。
いまだに仮設住宅で暮らす被災者の映像を見ると、疑問を感じてしまうが、その一方で被災地域で建設工事に携わる労働者の災害が気になってしょうがない。
厚生労働省の「東日本大震災の復旧・復興に関する労働災害」のデータによれば、平成24年の1年間で合計264人が被災している。そのうち、建設業では、246人が被災しており、9人が命を落としている実態にある。
未曾有の大震災にもかかわらず、さらに関連した労働災害にあってはならない。
建設業労働災害防止協会では、東日本大震災に係る復旧工事安全衛生確保支援事業として、「守るルールで 安全作業」という新規参入者教育用テキストを作成している。「建設現場の1日の流れ」や「決められたヘルメット、安全帯、防じんマスクなどの保護具をきちんと使用する」といったベーシックな内容だ。それでも、復旧工事でかりだされる”建設の素人”には理解できているのだろうか。
宮城労働局管内の石巻・大船渡労働基準監督署では今年1月22日に「復興への架け橋」と題した安全セミナーを開催した。他の労働局でも震災に関連した施策を行っているところもある。大震災の被害をこれ以上広げてはならないとする行政側の気持ちが見えた。