【ひのみやぐら】「指差し確認」の効用

2014.07.15 【ひのみやぐら】
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 朝、家を出てバス停へ向かう途中、ふと玄関のカギをかけてきたかが気になり、戻って確認することが多くなった。カギのかけ忘れはないのだが”不安”は残ったままだ。何か対策を打たなければと思っていたら、事業場で取り入れている「指差し確認」「指差し呼称」が、ふと頭をよぎった。

 早速、試してみた。「玄関のカギ、ヨシ!」。効果はてき面だった。途中で戻ることなく、不安も解消した。

 そこで、指差し確認のことを少々調べてみた。

 呼び名だが、「指差喚呼」「指差確認」「指差呼称」「指差称呼」などさまざまあるが、自社に馴染めばいいようだ。指差し確認の手順は、①対象をしっかり見る、②対象を指で差す、③差した指を耳元へ、④右手を振り下ろす――確認できたら、「ヨシ!」と発声しながら、対象に向かって右手を振り下ろすもの。

 単純ともいえる動作だが、2010年に発表された広島大学大学院保健学研究科の研究論文「確認作業に『指差し呼称』を用いた時の前頭葉局所血流変動の比較」によると、「『指差し呼称』法のほうが、『黙読』法、『指差し』法、『呼称』法よりも前頭葉におけるHV(前頭葉における血中酸素化ヘモグロビン変化量)が多かった」、「『指差し呼称』法が、『黙読』法とでは左前頭前部、『指差し』法とでは、右前頭前部において認知機能の活性化が図られている可能性が示唆された」「これらのことから、与薬(薬を処方すること)の準備段階においてなされる作業の確認方法として、『指差し呼称』法の有効性が示唆された」と結論づけている。

 プライベートでも”指差し”だけのマンネリ化にならないよう、今後もしっかり”確認”していきたい。

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平成26年7月15日第2214号 掲載
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