【ひのみやぐら】ヒヤリ報告にリスク評価を
重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の危険な出来事――「ヒヤッとした」「ハッとした」、そうヒヤリ・ハットのことだ。職場の災害防止や災害の発生を最小限にとどめるために、ヒヤリ・ハットから学ぶことは少なくない。
また、ヒヤリ・ハットも労働災害と同様で、作業条件または不安全行動に起因しているケースがある。ヒヤリ・ハット発生後は、会社はその対策を講じなければならず、また社員は、もう少しで事故になるところだった事例はすべて報告し、事業者はその関連記録を保管しなければならない。
ヒヤリ・ハットの収集は「リスクの洗い出し」のプロセスで最も容易かつ有効な手段ともいわれる。それならば、ヒヤリ・ハット報告にリスクアセスメントの「リスク評価」をさせて、提出させればいい。
これを実践しているのが、8月1日号の特集Ⅰで紹介している東京環境オペレーションだ。作業者に発生したヒヤリ・ハットのリスクの見積もりをさせ、リスクポイントを計算、そのリスクレベルが4段階のどこに該当するのか考えてもらう。
記入例と空白欄があるので参考にしてみてはいかがだろうか。
この方法だと、多くの会社が採用しているヒヤリ報告よりも作業者の危険に対する感受性が磨かれていることが容易に想像できる。
話は変わるが、好評をいただいている「イラストで学ぶリスクアセスメント」のリスクレベルとリスクポイントの表中の表記が今号から変更になった。「評価結果」から「リスクの内容」に、「優先度/対応」から「リスク低減措置の進め方」に、「ほとんど」から「殆ど」になった。活用される場合には注意されたい。