【ひのみやぐら】労働災害防止のカギは荷主

2015.02.15 【ひのみやぐら】
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 トラック運転者の過重労働が深刻な問題となっているのは、皆の知るところだろう。過重労働そのものはもちろん、交通労働災害の大きな原因でもある。事故は、一般ドライバーやその同乗者も巻き込むことがあり、一時期、新聞紙上を大きく賑わせたこともあった。厚生労働省では、重点指導業種とするとともに、都道府県労働局では災害防止の要請や講習会を何度となく実施してきた。こうした対策が決め手になったとはいい難く、依然、運送業での災害発生件数は減少傾向をみせない。こうした状況から12次防では、荷主への働きかけを強化する方針とし、近年、動きが活発化している。

 競争の激化などの理由から、運送事業者の立場は弱い。無理な発注条件でも引き受けざるを得ない実態があるようだ。改善案を提案しても「会社は他にもある」と泣き寝入りになることが少なくないという。荷主企業の担当者は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を知らないなど、認識にギャップがあるのも一因のようだ。事業者の努力だけでは、限界があるとしたことで、荷主ぐるみの対策が行われるようになったわけだ。

 全国的に対策が進むなか、宇都宮労働基準監督署では昨年11月に「運送事業者と荷主との安全衛生フォーラム」という画期的な取組みが行われた。フォーラムでは荷主企業の取組みを紹介しており、今号特集で取り上げているスナックフードサービスは、ダイヤグラムの見直しで荷の積込み作業の効率化を実現した。運転者の長時間労働の大きな要因である手待ち時間の大幅な削減に成功している。こうした好事例から分かるようにまだまだ、改善が行われる余地がある。

 運送業の労働災害防止は、荷主の関与が大きなカギといえそうだ。

平成27年2月15日第2228号 掲載
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