【ひのみやぐら】創意工夫がマンネリ防ぐ
日常的な安全活動の代表格であるKYT(危険予知訓練)。もはや必要不可欠な活動といってもよいが、毎日のことだけに「マンネリ化してしまう」といった悩みが少なくない。
作業のなかにKYや指差し呼称を完全に組み込んでしまえば、そんな問題とは無縁なのだが、管理監督者の指導やサポートがおざなりであると、労働者は「作業外のこと」とし「やらされている」と感じてしまう。そうなると、マンネリ化への道はたやすい。
活動を定着させるためには、作業者の関心をひくことが大切で、管理監督者自らが率先し、牽引していかなければならない。日常の実施事項なだけに、創意工夫を行う必要があるだろう。今号、特集Ⅰで紹介する2つのKY手法は、職場で取り組みやすい好事例だ。
東京地下鉄深川工場では「SKYT~いいね!ツイッター」と名付けた危険予知訓練を実施している。毎日のミーティングの際に、その日の作業や安全ポイントをつぶやくイメージでひとつ挙げてもらい、短冊に書き込みホワイトボードに貼り付ける。共感する内容には、マグネットを置くことで「いいね」を示す。生まれながらのネット世代には、馴染みやすいネーミングセンスで受け入れやすい活動だ。全国建設業協会では、フィギュアを使ったリスクアセスメント型KYを普及している。現場風景の描かれたイラスト上に、作業者や重機などのフィギュアを配置し、動きをシミュレートする。危険箇所のイメージを膨らませることができ、災害が起きる原因をつかみやすい。定常的な作業の少ない建設業にマッチした手法といえる。
管理監督者が創意工夫をすることで「ヤル気」を見せれば、自然とマンネリにはならない。