団体交渉に臨む心構え/弁護士 荒瀨 尊宏
2016.02.15
【弁護士による労務エッセー】
1 最初が大切
労働組合から団体交渉の申入れを受けて慌てふためく中小企業の経営者も多いと思います。最近では、雇用形態の多様化から企業内の労働組合ではなく、合同労組や地域ユニオンと言われる企業外の労働組合から団体交渉を申し込まれるというケースが、特に中小企業において増加しています。
突然見ず知らずの労働組合から団体交渉の申入れを受けたら、狼狽する気持ちも分かりますし、労働組合側も気合いを入れてくるので、使用者側が過剰に反応したり、感情的になったりして、なるべく団体交渉をしないで済むようにと消極的な対応をとりがちです。
しかし、団体交渉を巡る紛争は、入口の段階、すなわち団体交渉の申入れがあった直後の使用者側の対応のまずさに起因するものが殆どで、使用者側にとっては初期対応が極めて重要です。