後任が入社し育つまで退職を認めないとしたことをめぐる助言・指導事例

2016.03.07 【助言・指導 あっせん好事例集】
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紛争当事者の主張

申請人X(労働者)

 精肉卸売会社で精肉の運送業務を行っており、アルバイトとして入社し、その半年後、正社員として採用され、3年ほど勤務していた。

 結婚を考えているのだが、賃金額や労働時間に不満があったため、転職を決意し、1週間後の退職日を記載した退職願いを提出したが上司に退職を慰留され、受理を拒否された。

 このため、再度11月20日に12月15日付けの退職届を提出したが、上司から「この忙しい時期に退職したいとはどういうことか。後任が入社して育つまでは辞めさせない」と言われ、退職届は受理されなかった。

 話し合いに応じてほしいと伝えたが聞く耳を持ってくれない。この会社は労働条件が悪いため人の出入りが激しく、いつになったら辞めることができるのかわからない。

 円満に退職したいと考えているため、間に入って話をしてほしい。

被申出人Y(事業主)

 精肉の運送担当の人員が不足している状態であり、そのうち3人から同時に退職したいとの申出があった。

 ほかの2人に対しても退職を慰留するよう伝えているが、Xも会社の状況を分かっているはずであり、考え直してほしい旨を伝えている。

 年末年始のイベント等で需要が多くなる12月中旬に退職されては会社の業務に支障を来すこととなり、顧客に迷惑がかかる。

 就業規則にも原則として、1カ月以上前に申し出ること、少なくとも14日前までと定めている。

 できれば繁忙期を過ぎる1月末までは残ってほしいと考えている。

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