【今週の労務書】『外国人雇用の実務 第2版』
2018.02.10
【書評】
「不法滞在」を5類型化
本紙で一昨年連載を執筆していた著者の最新刊で、平成27年5月の初版から大きく内容を追加している。
不法滞在に関しては、筆者が独自に5つに類型化して解説した点が興味深い。最近問題になっているものとして挙げるのが、就職先は偽らないが、担当業務を偽る「偽装就労」と、実体のない会社を設立し、経営などとは関係ない在留活動をする「偽装起業」と指摘。実態が明らかになりにくい型で、これが28年の入管法改正で「営利目的在留資格等不正取得助長罪」などが新設された理由だと説く。
在留資格「介護」の創設を計画なき社会実験と捉え、外国人排斥運動への発展を危惧した点も目を引く主張。グローバル化真っ只中の今、一読を勧めたい。
(近藤秀将著、中央経済社刊、TEL:03-3293-3371、3200円+税)
平成30年2月12日第3148号16面 掲載