技能実習生関係の書類送検めだつ 愛知労働局平成27年司法処分状況
2016.04.20
【監督指導動向】
愛知労働局は、平成27年の司法処分の状況を取りまとめた。同労働局管内で昨年書類送検した事案は、前年比4件増の71件。外国人技能実習生を使用する事業場への監督指導を強化した結果、臨検を端緒として司法処分に至ったケースが大幅に増加している。
書類送検事案71件をみると、労働基準法関係が32件、労働安全衛生法関係が39件だった。業種別では建設業24件、製造業17件の順に多い。
違反法令をみると、労基法上の定期賃金不払いが17件で最多。以下、機械等危険防止の不実施が14件、墜落等危険防止の不実施が12件と続く。
捜査の端緒として最も多かったのは、労働者の「死亡等重大な労働災害」で34件だった。次いで、労働災害に被災した労働者の家族からの相談や、入国管理局からの”通報”が含まれる「告訴・告発以外」(27件)となる。
技能実習生に関する監督指導を強化し、書類送検につなげている。たとえば27年2月には愛知労働局が、実習生に対して時間外・休日労働の割増賃金を所定日に支払わなかった食料品製造業者5者と管理団体から委託され通訳などを行っていた男性など計5法人6人を処分。同年10月には名古屋北労働基準監督署が、1日4時間、1カ月40時間を時間外労働の上限とする36協定を超えて1カ月当たり最長161時間にわたって残業させたプラスチック加工業者を処分している。
愛知県は全国で最も技能実習生の数が多い。同労働局は引き続き、実習実施機関への監督を強化していくとした。