【安全衛生・お薦めの一冊】『いろはで学ぶ現場の安全――安全な職場づくりのためのヒント――』
2013.06.01
【書評】
48のカルタにヒントが
安全文化の構築が現在、声高に叫ばれているが、実際どうすればいいのか二の足を踏んでいる企業も少なくない。
肩ひじを張らずにそれでいて、自社に合った安全文化の方向性が見つかるのが本書だ。日本古来の「い・ろ・は」カルタ形式で、著者の26年にわたる安全衛生業務の知識を余すことなく開陳する。
例えば、安全の“あ”の字をみると、「安全は ないこと常識 はじめから」では、危なさが大きい場合を危険と称し、危険が小さいことを安全と呼んでいるだけで、安全活動の実体は危険をコントロールする活動で、安全は存在しないと言い切る。
また、“と”では「トップの声は 伝わりにくい 最前線」といったちょっと耳の痛い表現もある。48のカルタには自社の現状へのヒントが見え隠れしている。
朝礼の話材のほか、階層別の安全研修資料としても使える。
(中央労働災害防止協会刊、古賀 良男 著、TEL:03-3452-6401、四六版、190ページ、1575円)
平成25年6月1日第2187号 掲載