【安全衛生・お薦めの一冊】『「現代型うつ」はサボりなのか』
2013.11.01
【書評】
若者の能力発揮へ
働く者の正当な権利として堂々と会社を休む一方で、自分が楽しめる場所には出かけていける「現代型うつ」が若者の間で増加しているという。これを”サボリ”として切り捨てる上司も少なくないそうだ。これでは、若者の能力発揮の場を取り上げ、結果として社会の損失になる。
「現代型うつ」と正しく理解し、向き合おうというのが本書。職場での対応方法も示しており、興味深い。例えば「褒めて、叱って、褒める」というサンドイッチで叱るテクニックを紹介。自分の存在を再確認させるため褒めるのが有効としながらも、叱るのも大事としている。ただ、いきなり叱ると、叱られ慣れてない世代なのですごく傷つく。そこで「褒める」で包むようにして、ショックをやわらげるという。
「うつ」だけではなく「いまどきの若者」を知るためにも、読んで置きたい一冊だ。
(平凡社刊、吉野聡著、TEL:03-3230-6572、新書版、246ページ、800円+税)
平成25年11月1日第2197号 掲載