【安全衛生・お薦めの一冊】『建築物等の解体・改修工事等における石綿障害の予防』
2014.12.01
【書評】
入退場手順をイラストで
1970~90年代に建材として大量に輸入された石綿だが、建物の老朽化が進んだことで、解体工事はピークを迎える。労働者の石綿ばく露防止が大きな課題になるなか、本書は改正石綿障害予防規則に対応した特別教育用のテキストとして、石綿の有害性や作業方法、粉じんの発散を抑制する措置などについてまとめている。
規則の改正で事業者の義務として追加された、前室への洗身室、更衣室の併設に関連した項目では、作業員が入退場するときの手順をイラストを使って分かりやすく解説。さらに保温材、断熱材などの石綿含有建材の除去作業は、写真付きのフローを使って作業の流れを示した。また、石綿粉じんのばく露を防ぐための保護具の装着については、マスクの密着性を確認するフィットテストや保護衣の着用方法なども紹介している。
石綿除去工事の前には、本書を頼りに万全の備えを施したい。
(建設業労働災害防止協会刊、TEL:03-3453-3391、B5判、109ページ、820円)
平成26年12月1日第2223号 掲載