【安全衛生・お薦めの一冊】『百戦錬磨のベテランスタッフに学ぶ安全衛生管理の勘所とコツ33選』
2015.02.01
【書評】
災害原因全員で討議
安全衛生スタッフには、専門性だけでなく、現場の状況に応じた臨機応変な対応や、活動を円滑に進めるためのコミュニケーション能力が求められている。
本書はその名の通り、安全衛生のプロが「こうすれば現場を巻き込めて、もっと効果が上がる」などといった具体的な勘所やコツ、活動を示し、各企業や事業所に継承してもらうことを狙ったもの。
例えば「スタッフのコミュニケーション力」では、危険作業の放置が原因とみられる災害の多発をきっかけに全社員で階層別に討議したケースを紹介。管理職クラスと運転員クラスで安全意識に大きな差があることが分かり、規程類の見直しとそれに基づく職長・班長教育につながったという。
また、積極的に外部からの診断・評価などを受け、「井の中の蛙」から脱却し、社内の体質を変えることも必要としている。
(古澤登・前田啓一・淀川芳雄著、中央労働災害防止協会刊、TEL:03-3452-640、A4判変形、80ページ、1200円+税)
平成27年2月1日第2227号 掲載