12年間の総括と今後を見据えて(使用者側の労働弁護士として)/弁護士 岡崎 教行

2016.03.25 【弁護士による労務エッセー】
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実務についてみて感じること

弁護士登録から6年目くらいまで

 平成15年10月に入所しましたが、当初、訴訟件数も極めて多く、大型の事件も複数あり、極めて多忙を極めていました。入った初日に、大型事件の訴訟記録をいただいたのですが、既にキングファイルが何冊もあり、びっくりしたことを今でも記憶しています。

 しかも、労働法については初心者だったので、仕事をしながら、夜中に菅野和夫先生の書籍を読んで、判例をコピーして読んで自主的に勉強するということをしていました。当時を思い出すと、労働者派遣法に関する相談も多かったのですが、全く一からの勉強だったので、結構つらかった記憶があります(そのおかげで、今では派遣法については、特段、支障なく相談にのることができています)。

 基本的に寺前弁護士の方針としては、お客様からの相談に回答する業務にしても、訴訟における書面の作成、提出にしても、更には法廷に出廷することについても、当職に任せるということはせず、全ての文書をチェックしていただきました。当職としては、とりあえず、何でも真似てみようと思い、寺前弁護士が過去に書いた準備書面などを漁っては、夜中に読んで、参考にさせてもらい、それを真似て書面を起案するということを繰り返していました。当時から、仕事を全くのゼロからやるというのは非効率的だと思っていたので、また、先人の知恵を拝借すべく、パクってカスタマイズの精神で、仕事に従事していました。

 最初の5年程度は、ほぼ毎日深夜まで仕事をし、土日も基本的に休まず、時間があれば、労働法の勉強をし、週に4日程度は深夜に寺前弁護士と夕食を食べて軽く呑むという生活を続けていました。

弁護士登録6年目以降現在まで

 その後、当職も6年も経ってくると、知識と経験も増えてきて引き出しが多くなり、お客様からの相談に寺前弁護士が回答するときには、自分だったらどう回答するかな?ということを頭に思い描きながら、横で聞くということができるようになってきました。

 また、このころだと思いますが、寺前弁護士の指示で、初めて1人で団体交渉の立ち会いをするようになりました(それまでは勿論、寺前弁護士が立ち会う際に、一緒に同行という形だけでした)。初めて1人のときは、それはそれは緊張しました。自分にやれるのだろうかという緊張感。ただ、逆に、自分としては任されたという嬉しさが強く、かなりのモチベーションアップとなりました。

 そして、弁護士登録から10年弱経過したあたりから、少しずつではありますが、寺前弁護士からも仕事を任せられるようになり、事件によっては、準備書面の起案、法廷への出頭なども任せていただけるようになってきました。特に、寺前弁護士が第一東京弁護士会の副会長をされた1年間は、基本的に弁護士会に寺前弁護士が常駐でしたので、かなり大変であった半面、自分で色々なことに対応する、決断するという良い機会になりました。

 もっとも、弁護士登録から12年半経った今でも、まだまだ日々、業務で悩むことが多く、寺前弁護士の下、日々研鑽に努めているというのが実態です(今でも、準備書面などは寺前弁護士から赤字をたくさん入れてもらい、大幅修正ということもあります)。

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