【安全衛生・お薦めの一冊】『安全確認ポケットブック 工作・加工機械の災害の防止』
2016.04.01
【書評】
危険源と対策を意識化
機械による労働災害は、一度起これば死亡や重度の障害につながりかねないものだが、依然として後を絶たないのが現状だ。
本書は、機械の中でも特に災害が多い「工作・加工機械作業」に重点を置き、基本的な知識から実務上の留意点、加えて災害事例に基づく各機械特有の危険性や安全対策を盛り込んだのが特長だ。ポケットブックなので作業者一人ひとりに携行させることができる。
卓上ボール盤の災害と対策では、「飛散した切粉が作業者および通行者の目に飛来」した災害を提示。作業者と通行者の両方が保護めがね・防災面を着用し、ボール盤の周囲(背面と側面)に飛散防護板を設置することを推奨している。
職場巡視などの際のチェックリスト、あるいはリスクアセスメントで活用すれば、より一層「危険源」や「具体的な対策」についての認識が深められる。
(中野洋一著、中央労働災害防止協会刊、TEL:03-3452-6401、A6判、24ページ、280円+税)
平成28年4月1日第2255号 掲載