【安全衛生・お薦めの一冊】『高所作業の基礎知識 ハーネスやロープ高所作業の安全対策Q&A』
2016.09.01
【書評】
規則の問題点を提起
ハーネス型安全帯で墜落しても、安全と思ってはいないか。実は、救出までに30分以上経過すると腿ベルトによる血栓障害の危険の可能性があり、早期救出か延命措置が必要になる。
また、2016年1月からロープ高所作業に関する新規則が施行された。そのなかで行う特別教育では、ロープ操作やレスキューを教えておらず、法令順守には十分としてもロープ高所作業に従事するには技術不足という。
本書は「ハーネスの正しい使い方」「ロープ高所作業の解説」の2部構成となっており、高所作業での問題点を提起している。
理解しやすいようQ&A方式で解説。「高所ロープ作業は、2人以上で行うのが望ましい理由は?」「元請に連絡せず直接救助要請してもよいか?」などといった質問に分かりやすく答えている。高所作業の思わぬ“落とし穴”が示された一冊だ。
(菊一功著、労働新聞社刊、TEL:03-5926-6888、B5版、48ページ、500円+税)
平成28年9月1日第2265号 掲載