美浦トレセンの労災が減少 JRAとの協議会で効果 龍ヶ崎労基署
2018.03.13
【監督指導動向】
クラシック戦線直前にピーク
美浦トレーニングセンターにおける休業4日以上の労働災害が直近5年で最小値に――龍ヶ崎労働基準監督署が展開する美浦トレセンへの労災防止に向けた取組みが、じわじわと効果を上げている。発生件数が100件に上った翌年の平成28年度から、JRAと年2回の協議会を開くなどの対策を講じている。
同労基署がこのほどまとめた資料によると、29年に美浦トレセン内で発生した休業4日以上の労災は72件で、前年比7件減だった。発生月別にみると、3月、11月がともに10件で突出している。11月は翌月に控える2歳馬のG1に向けた調教、3月は3歳馬のクラシック戦線に向けた調教が本格化するシーズン。気性の荒い若駒が労災の原因となるケースがめだつ。
曜日別では、火曜日と追い切りが行われる水曜日に発生が集中。火曜日は全休日明けで、「馬もストレスがかかっている」(同労基署担当者)状態で、放馬が多いという。
同労基署は28年以降、年2回(6、11月)にJRAと労災防止に向けた協議会を継続して行っている。このほか、直接厩舎を訪問して安全対策を呼び掛ける活動も年3回実施中だ。事故の型として落馬による「墜落・転落」や、馬の後方に立ち入ったことを原因とする「激突され」が多いことをアナウンスするとともに、有効な保護具を適切に着用するよう求めている。