【今週の労務書】『職場を変える秘密のレシピ47』
2018.03.17
【書評】
米国の労働運動を知る
本書は一昨年に米国で出版され、現在各国語訳での出版が進められている。
個別労働紛争が起きた際、周囲の労働者が組合の組織化などを図り、同僚を守るためにいかなる行動を採ってきたか、あるいはいかに行動すべきかについて解説している。個人主義のイメージが強い米国人でも労働者が声をあげることには相当の抵抗感があり、また人種や使用言語の違いが連帯を阻む要因になり得るなど、独自の問題があることも分かる。
それでも他者の問題を自分の問題として行動する姿勢は、わが国における昨今の労働法制をめぐる問題にどう向き合うべきか考えるうえで示唆に富んでいるといえる。
(A・ブラッドベリー、M・ブレナー、J・スロータ著、菅俊治、山崎精一監訳、日本労働弁護団刊、TEL:03-3251-5363、1389円+税)
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平成30年3月19日第3153号16面 掲載