【主張】監督強化して高プロ制を

2018.03.22 【主張】
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 働き方改革関連法案が国会に提出される見通しだ。裁量労働制の対象業務拡大は切り離されたが、高度プロフェッショナル制度(特定高度専門業務・成果型労働制)の創設については、なんとか審議ベースに乗せてもらいたい。

 働き方改革は、長時間労働の抑制とともに、日本の将来の経済発展を見据えた効率的で創造的な労働のあり方を追求したバランスの取れた内容となっている。裁量労働制の対象業務拡大が切り離された以上、高プロ制は成立させて欲しい。

 裁量労働制拡大の切り離しは、政権を維持するためには致し方ない対応だった。データ問題で多数の国民に不信感を与えたことは明らかである。しかし、野党の激しい反対の中にあって、高プロ制がなんとか維持されていることは評価されるべきだろう。

 一定分野の高度専門職が細かい労働時間規制に捉われず、しかもワーク・ライフ・バランスを実現しながら高い生産性を発揮できる労働環境の整備を狙うものであり、急速に進展する技術革新、急拡大するグローバル化を考慮すれば必要不可欠な改正とみることができよう。

 高プロ制の対象は、金融商品の開発・ディーリング、企業・市場などのアナリスト、研究開発などの業務を想定している。労働時間ではなく成果・業績で評価される働き方を希望する労働者に、合意を前提として適用する。年収要件は、一般労働者の3倍程度である1075万円以上である。

 日本の産業・企業の発展をけん引する高年収の高度専門職であるごく限られた労働者の問題であり、不当に劣悪な労働条件に置かれることはまずない。会社としても手放せない労働者層であって、労働者側にも一定程度の交渉力があろう。仮に賃金などの労働条件に不満があれば、企業間移動も十分可能である。

 こうした高度専門職に一般労働者と同じ労働時間規制を掛けている現行制度こそ違和感がある。違法適用を排除する労働基準監督の強化を前提とした高プロ制の創設に向け、対立ではなく建設的な国会審議を求めたい。

平成30年3月26日第3154号2面 掲載
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